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「木材は廃れる」は時代遅れ

使い捨ては時代遅れになりつつあります。反対に、再び評価されているのが耐久性であり、木材はその潮流を牽引しています。

ヘルシンキ郊外を散策すると、ある種類の一戸建て住宅が多いことに気づくでしょう。頑丈で、ベーシックな変哲のないつくり。主に木材を使って建てられています。これらの住宅施設は、1940年代後半、戦争で荒廃したフィンランド東部において、家を失った人々のために急遽建設されました。がっしりとしていて、驚くほど長く時の試練に耐えています。この家々は木材の優れた耐久性を示す証拠であり、計画的陳腐化に対する代替案の一例です。最も持続可能な原材料である木材は、計画的陳腐化に代わる選択肢の代表格なのです。

計画的陳腐化とは?

「計画的陳腐化」という言葉が最初に誕生したのは、1930年代。世界恐慌後の経済を活性化させるために作られた造語であり、この概念のもとでは、絶えず新しい市場を生み出すため、製品は意図的に短い寿命で生産されます。

これにはさまざまな形があります。スマートフォンが良い例かもしれません。使い始めて2年もすると新しいソフトウェアの扱いに手こずるようになったり、派手な新モデルが市場に出てくると同時に、信じられないスピードで電池が消耗したりします。また洗濯機や庭用家電の場合、動作が不安定になったり、バラバラに壊れてしまったり。

90年前は、製品を生産するための資源など無限にあるように思えていたのでしょう。しかし現在、計画的陳腐化には、原材料の希少性が増していること、その入手方法がサステナブルではないこと、そして大量の廃棄物を生むという問題があります。例えば、スマートフォンやそのバッテリーを作るために使われる金属や鉱物は、環境への配慮が必ずしも最優先されていない地域で採掘されています。

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写真:フォルマファンタズマ、カンビオ(展覧会風景、サーペンタインギャラリー、2020年3月4日~5月17日)写真:George Darrell

サステナブルに資源を使う

使い捨てや計画的陳腐化に代わる持続可能な選択肢を考えることに関して、一歩先を行っているのが進歩的なデザイナーたちです。例えば、イタリアのデザイナー、Andrea TrimarchiとSimone Farresin。2人はアムステルダムに拠点を置くデザインデュオ、Formafantasma(フォルマファンタズマ)として、「工芸、産業、モノとユーザーの間の架け橋」を開発しました。これは、「研究に基づく実践とより広いデザイン業界」の間に橋を架けたいという2人の思いから生まれたものです。彼らの会社は、デザインがいかにして資源のより持続可能な利用をサポートできるかを分析するプラットフォームを提供しています。

分析対象の資源には木材も含まれていることが、同社のカンビオプロジェクトを見るとわかります。プロジェクトで同社は、ロンドンのサーペンタインギャラリーの依頼に基づき「木材製品の採取、生産、流通」について調査しました。その結果生まれた展覧会は、木材製品と持続可能な林業の潜在的なメリットを包括的に示すものでした。一例として、薄い「サウンドボード」スピーカーを製造するためにイタリア産のスプルース材を選んだことが挙げられます。伝統的に楽器や音作りのための「共鳴」材として好まれてきたローズウッド(シタン)などの硬材は希少で絶滅の危惧にあるため、それに代わるものとして提示されました。

スプルースは、松と並んでフィンランドで伐採される2大樹種のうちの1つで、UPMではラフ材に使用されています。UPMのお客様には、木材を建材、家庭用品、家具などさまざまな製品に活用いただいています。いずれも持続可能性、耐久性、リサイクル性などの点で「計画的陳腐化」の逆を行くものです。

「木材は再生可能な製品であり、フィンランドで行われているような持続可能な森林管理を追求することで、消費量よりも多くの森林を育てることが可能です」と、UPM Timberの代表、Aki Temmesは言います。「木材は炭素吸収源としての役割を果たします。製材加工処理がなされた後もなお、木材は、森林の成長段階で木に蓄えていたのと同じCO2を含んでいます。その意味で木材は、事実としてカーボンポジティブな、唯一の建築材料なのです」

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写真:Timber製品は一切の廃棄物を出しません。写真:Angela Compagnone, Unsplash.

廃棄物ゼロ

建築材料としての木材の耐久性、持続可能性、適応性は今、再び注目を浴び、木材を積極的に使おうという動きが出ています。「多くの政府が、木造建築の建設を支援しています」とTemmesは語ります。「フランスは、公共建築物の50%を木造にするという目標を掲げています。フィンランドでは、建築物の木造化に向けた取り組みが進められています」

木材のような高品質で頑丈な素材は、多種多様のMDFやパーティクルボードよりもはるかに耐久性に優れています。MDFやパーティクルボードは安価な家具に使われていますが、そういった家具の多くはやがて劣化し、埋め立て地へ送られます。Temmesは次のように続けます。「私たちの木材生産では、一切の無駄を出しません。製材工程で発生する木材チップやおがくずは、パルプや紙の製造に使われますし、樹皮はバイオ廃棄物処理プラントで焼却されます。当社の木材は、固形廃棄物ゼロ(Zero Solid Waste)の製品なのです」

文:Tim Bird

メイン写真:Alexander Andrews, Unsplash