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手作業からデジタルへ – 製材工場のストーリー

フィンランドと製材工場には共通する独自の歴史があります。3世紀の間に2つの世界大戦と独立を経験した結果、ほかにはない強い結びつきが生まれました。

 

フィンランドは、ヨーロッパ最大の森林面積を誇り、国土の74.2%が深い森に覆われています。そのため、国内経済は数世紀にわたり林業と密接に結びついてきました。林業は17世紀に成長し、現在でも木材がフィンランドの輸出全体の約20%を占めています。

UPMの4つの製材工場では、最新テクノロジーを導入し、絶えず進化する顧客のニーズに応えながら、変化の激しいこの業界で長年中心的な役割を果たしてきました。フィンランドの西海岸に最も古いSeikku製材工場が設立されたのは1872年のことです。


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基本的なルーツ

製材工場は時代の流れについていくためにこれまでも改修を実施してきましたが、そのルーツは森林産業がまったく違う形で運営されていた時代にあります。「昔は、森林からお客様に届くまでのサプライチェーン全体が今と大きく違っていました」とUPM Timberの事業運営部長、Lauri Kunnasは話します。「すべてが手作業だったため、数多くの仕事がありました」

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木は、斧で切り倒した後、馬で製材工場まで運んだり、水に浮かべておいたりしていました。原木は、いかだに括りつけてボートで運搬するか、製材工場に運ぶまで水に浮かべて保存しておきました。当然ながら、オウル川やイー川、ケミ川など、フィンランド国内を流れる大きな川に沿って製材工場が増えていきました。川の近くは輸送がしやすく、水力で機械を動かすこともできたためです。製材工場に到着すると、材木は手作業で加工され、荷馬車や国内の水路を使って顧客に届けられました。
 

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最大の技術開発は自動化です。自動化によって従業員数は減少しました。現在、製材工場で働く従業員の数は、18世紀や19世紀のおよそ10分の1です。「最近は、あらゆる作業を自動で処理できます」とKunnasは言います。「当社では、自動コンベヤー、カメラ付き制御システム、品質で木材を仕分けするITシステムを導入しています」

より速く、より安全に

この数年間で、工場には数多くのハイテク機器が導入されました。「毎年、製材工場に運ばれる大量の原木は、3D測定機器とX線測定機器で計測されます」とJartek Invest OyのエンジニアリングマネージャーであるPetri Järvinen氏は説明します。「これらの測定データに基づいて、原木をより正確に仕分けし、これまでよりも多くの用途に適した加工を行うことができます」

さらに、一つ一つの板材や厚板片を、末端を含むあらゆる角度から撮影します。「カメラを活用した品質管理を取り入れ、木材の特長や欠陥を解析することで、木材の価値を高めるだけでなく最適な製品化や品質の統一を図ることができます」とJärvinen氏は話します。

自動化は、効率性向上をもたらしただけでなく、かつては切断、製材、木材の引き上げといった従業員が危険にさらされていた作業を各段に安全なものにしました。Kunnasは次のように話しています。「かつては、どの業界も安全に対する意識が今ほど高くなく、数多くの事故が起きていました」

マルチスキルな従業員

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製材工場の従業員数が減少したとはいえ、従業員には今も高水準の知識とスキルが求められます。「木材に関する基本的な知識を備えており、理解している必要があります」とKunnasは言います。「当社が求める従業員は、最新のコンピューターシステムを理解し、操作できる人材です」

今日の製材工場スタッフには、高度なマルチスキルが求められており、数多くの若いスタッフは最先端のテクロジーを使いこなしています。「最近では、製材工場での仕事は重労働でも肉体労働でもなく、プロセスの監視と制御に関するものが増えています」と話すのはJärvinen氏。今はノコギリで作業する従業員ではなく、複数のコンピュータ画面の前に座っている従業員を目にするだろうと付け加えました。

フィンランドの森林産業は、これまでも環境に対し高い意識を持っていましたが、持続可能性の問題が社会で認知されるにつれて、さらに強く環境を意識するようになっています。「私たちは、森林を適切に管理し、過剰に消費しないという方針を貫いてきました」とKunnasは説明します。「産業用製材工場を初めて立ち上げた頃でさえ、持続可能な形の森林管理を実現しようと配慮していました。これは素晴らしい姿勢であり、私たちはその姿勢をこれまで守ってきたことを誇りに思うべきです」

さらに、製材工場では廃棄物ゼロの製品を開発しています。「当社では、樹皮をエネルギー源として用い、ウッドチップやおがくずを煮てパルプを生産しています」とKunnasは説明します。「副産物の管理は生産工程において常に重要な要素です。UPM社全体で、廃棄物の90%以上をリサイクルあるいは再生しています。持続可能性に対するこうした取り組みは、UPMの製材工場が歴史に根差している一方、常に未来に目を向けていることを示しています」

文:Jessica Bateman
写真:UPM Timberのアーカイブ